今年の美術展で私が一番楽しみにしているのは、3月29日から大阪で行われる『生誕150年記念 上村松園』展です。
その予習を兼ねて、遥か昔に購入した本を引っ張り出して再読しました。
表紙裏にあったこの言葉に魅了されて好き度合いが増したなぁ、と思い出しました。
一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである。
その絵をみていると邪念の起こらない、またよこしまな心を持っている人でも、その絵に感化されて邪念が清められる・・・といった絵こそ私の願うところのものである。
『青眉抄』上村松園
これを読んだ時は背筋がピンとなって感心したと同時に、だからこそあんなにも気高く上品な作品が生み出されるのだと納得したものです。
彼女の仕事に対する熱意と真摯な姿勢、逆境の中でも自分の作風を貫いた毅然さ、仕事人として尊敬します。
一方、「女性であったがゆえ」の遅すぎた文化勲章受賞*。*女性初
彼女が賞を欲したかどうかはわかりませんが、時代特有の因習を被らざるを得なかったことを思うと同じ女性として心はざわつきました。
でも、名誉があってもなくても彼女の作品の素晴らしさは変わりません。
没後76年目の今日だってそう、この先だってきっとそう。
観る人の心に確実に何かを残す絵でしょう。
4月の桜の頃を目掛けて展覧会に行けないかと計画しています。
あー、楽しみだ^^