春の足音が聞こえてくるような暖かい冬晴れの日、久しぶりに鎌倉へ行きました。
今回は鎌倉歴史文化交流館の企画展が気になったのでそちらがメインの散策です。
まずは小町通りにあるお店で早めのランチ。
インバウンドの喧騒とは裏腹に老舗店らしく程良い地元感と静けさのある空間でした。
自分ではなかなか作れない揚げ物、アジフライ定食。
お味噌汁にかまぼこの薄切りが入っていましたが、少量でも味の濃さを感じました。
海辺の街らしさを堪能し、観光地ながらも1,090円というリーズナブル価格に感謝でした。
約10分歩いて鎌倉歴史文化交流館に向かいます。
中心地を外れて住宅街ののんびりした雰囲気を楽しみながら歩いていると、少し勾配のある坂の上に突如現れた超モダンな建物。
元はイギリス人建築家の個人宅だったらしく、そこを歴史文化交流館に改装したようです。
お目当ての企画展は「女学生がみた近代の鎌倉」
田辺新之助さんという鎌倉女学校を開校した方の功績と学生生活の様子を知ることができました。
朝ドラ『虎に翼』を観て以来、明治時代から1950年代までの女性の暮らしぶりに関心を持っていたのでこの企画内容はドンピシャでした。
一番興味深かったのは田辺さんが卒業生に向けて送った言葉。
要約すると「夫を立てて子に良き教訓を示せる母になってほしい」とのこと。
開校当時の教頭が知育に偏らない精神修業第一のため家政や体育を重んじるべきとしたが、田辺さんは校長として開校当時、ゆくゆくは高等女学校の認可を視野に入れていたようなのです。
ということは、女性も知識をつけ弁護士や教員などの専門職で活躍できる女性を育てたいと考えていたのかなと私は理解したのですが、この卒業生への言葉を見ると「女性は結婚して子供を産み育てるもの」という昔から根強い「あるべき女性像」へ賛同していたことは分かりましたが、女性が仕事を持って家の外で働くことへの彼の考えは窺い知る事ができなかったなと思いました。
同時代に少女出世双六(すごろく)という女性が生まれてから”上がり”になるまでを双六ゲームにしていたものがあったと展示されていましたが、その”上がり”は嫁入り支度でしたからね苦笑
そして『虎に翼』の寅ちゃんも同時代を生き、女性が外で働くことがまだ社会的に良しとはされていなかったことにもがいていたから、その辺りについて田辺さんの考えが知れたらもっと面白かったのになと思いました。
ただ、この鎌倉女学校は今や鎌倉女学院(中高一貫校)として現在へ繋がっているわけだから当初の田辺さんの思いは実現はされたと言えるでしょう。
田辺さんが生きていたら今の時代をどう思うのでしょうね^^
見学が終わって中庭のベンチで休憩しました。
太陽光を浴び、自然の音を聞きながらのんびりした気分になれました。
この後も喫茶店や雑貨店にお邪魔して久しぶりの鎌倉を楽しみました。
学びと癒しをもらえた楽しい旅でした。