私のけけけ

アラフォーでセミリタイア生活開始。自分軸で暮らす楽しさを綴ります。

散った若き命に思うこと

少し前に終わった、NHK朝ドラ『あんぱん』の戦争編。

思えば「映像」という形で戦禍の軍人/市井の人々の様子に対峙したのは過去あまりなく、しかも各登場人物の生い立ち、性格、思いを知っているがゆえに涙無くして見ることができなかった内容でした。

暴力や飢餓、思想の自由の無さ。

現代では考えられない悲惨な状況に、強く戦争はしてはダメだと再認識させられました。

こうして『あんぱん』から刺激を受け、今年戦後80年目、そして今が終戦を迎えた「夏」という季節感も手伝い、『ある一家の近代と戦争』という企画展に行ってきました。

この「ある一家」とは長野県の上原家を指すのですが、良春・龍男・良司さん3兄弟は全員慶應義塾大学の学生さんで、全員戦死されました。特に良司さんの遺書にある「自由主義への思い」は敗戦後の国づくりに訴えかけたことで有名です(恥ずかしながら私はこの展示で知りました^^;)。

良司さんの遺書は何枚か展示されていて、その筆跡や内容からとても賢くて勇敢な方だったことが伺えます。同時に、学生生活を楽しんでいる様子の写真も数点展示されており、召集後の人生の変わりように心苦しさを覚えました。

 

その他に印象的だったのは、次男・龍男さんが戦死したことを知らせる「木札」でした。

彼は海軍に所属しており、このエピソードは『あんぱん』で同じく海軍として戦死した千尋くんのそれと同じでした。遺骨も何もない、ただ名前が書いてあるだけの木札。これを見た時はちょっと背筋がゾッとしました、本当にこんな現実があったのだと・・・。

 

企画展の会場は彼らの学舎であった慶應義塾大学

もっと学生生活を謳歌して自由に自分の人生を歩んでいきたかったはずです。

こんなにも立派で美しい校舎の建つこの場所に、八十数年前に志を持った若者達が確かにいたのだと決して忘れてはならないし、戦争など二度としてはいけない。

一個人として出来ることは限られるけれど、とにかく今の時代に生きる私は家族を大切にし、自分の人生を一生懸命に生きていこうと思いました。

 

企画展は8月30日までやっているそうです。ご興味ありましたら是非。