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このところ近現代史の学び直しをしておりますが、そうでなかったら絶対手に取らなかったであろうテーマ^^;
江戸時代という平和な時期を経て、開国、尊王攘夷運動、大政奉還、明治新政府誕生という大混乱の政局中に若干14歳で兄・徳川慶喜の代わりにパリ万博へ派遣された昭武の欧州旅行の様子を記した本書。近現代史のサブ参考書として面白かったです。
特に、幕府とは別にパリ万博に参加した薩摩藩の展示形態が既に反幕の様子を呈したものであったこと、通訳として昭武に随行したシーボルトが実はイギリスのスパイだったことなど、それぞれの思惑が錯綜する舞台裏は教科書には書かれない史実だと思うのでこの時代の理解が深まりました。
それにしても昭武は可哀想でしたね・・・。
パリ万博参加後はフランスに留まって勉学に励むのですが、当初3~5年程許されていた期間が日本国内の政局変化によって1年半程で帰国せざるを得なくなり、しかもそこで学んできたことは新政府の誕生によって生かされることはなかったよう。
結局30歳で隠居し、58歳で病死。
時代に翻弄された数奇な生涯と言えるでしょう。
何がそんなに違いを生んだのだろう?といった興味も出てしまいますね。
慶喜ではなく昭武というややマニアックなテーマですが、日本の近代化を別の視点で知れる興味深い読みモノでした。
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