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北海道を中心とした日本の北辺地域が描かれている地図を約500年前から振り返り、当時の人々がこの地域を「日本の国土」としてどう捉えていたかを解説する本書。
「地図から歴史を語る」という発想が面白いと思って手に取りましたが、期待通りの内容でした。

一般的な日本史の中で北海道がクローズアップされるのは恐らく戊辰戦争後に開拓使を設置し、名称も蝦夷地などから「北海道」へと改められる頃(1869年)からだと思うのですが、当然ながらそれ以前からも大陸としては存在していたため当時の人々に認識はされ、地図にも出てくるのです。
ただ、その認識のされ方が時代ごとに違う。
そこには単なる事実を描いただけのものもあれば、「意図」や「画策」といった戦略的意思が地図の書き方に反映されているものがあり、そこが興味深かったです。
特に井原西鶴の『一目玉鉾』は所謂、日本案内書で各地の名物や名所が紹介された本ですが、その中にこの頃(出版年1689年)はまだ「異域」(=日本の一部ではない)として捉えられていた「夷千島」(=北海道島を指す)が紹介されているのです。
この頃には松前藩はアイヌとの交易が許されていたので彼らからもたらされる珍しく、魅力的な品々が日本各地に渡っていたでしょうが、その地には許された人しか足を踏み入れられない。
だから空想をかき立てられたのでしょうか?
西鶴は事実も踏まえながら詩的に夷千島を紹介し、華夷思想をベースに「ここも日本である」と主張したかったのではと作者は読み解いています。
なるほど〜〜面白い。
他にも間宮林蔵や開拓期といったメジャーな話題も紹介されますが、その中で出てくる地図やそれができるまでの経緯って意外と知らないものが多いのでは?
その中から読み取れる情報をもとにした歴史解説は感心することひっきりなし。
へぇ〜と何度つぶやいたことでしょう!笑
違う視点で北海道を知ることができて良い本でした^^